Racing Diary 2003's Race

全日本ロードレース選手権 第6戦 オートポリススーパーバイク

2003年8月23~24日 大分県 オートポリスサーキット

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ケンツGSX-R1000+北川圭一、惜しくも優勝を逃すものの2位をゲットしチャンピオンに王手をかける!

  いつもお世話になっています。ケンツJトラストMOJO-WESTの北川圭一です。今回は今シーズンの全日本選手権ロードレースの、僕の参戦レポートです。
 レースが終わった翌日に、皆さんに報告させていただこうと思います。

  悔しくて、それでいて精一杯やった充実感が残った8耐を終えて、第6戦は九州のオートポリスでの全日本です。今回で2回目の開催になるオートポリスは、他のサーキットと違ってスケールが大きく、攻略しがいのあるコース。去年、あのダウンヒルで時速200kmで転んじゃいましたけど、決してキライじゃない。いつまでも抜け殻になっているわけにはいかないので、お盆休みのあいだ、オートポリスのテストにも行ってきました。 

  ウィークに入ってから、金曜の合同テストは、ドライ半分、ウェット半分でした。特に午後なんか、JSBの走行時間だけザーッと雷と夕立が来て、少しでもドライのセットアップを詰めたいのになぁ、ってアセリでいっぱいでした。お盆の事前テストも、一般スポーツ走行枠で走ったから、きちんとセットが出せるほど走れなかったんです。年に1度しか走らないサーキット、きちんと準備できた、とは言い難い状態でのレースでした。

  土曜は公式予選。この日からはきちんと晴れて暑いぐらいで、とくに午後のセッションは路面温度が50度を越えるほどの暑さ。ここでちょっと心配事ができてしまいました。それが、タイヤメーカーの違いによる仕上がりの差でした。

  ケンツGSX-Rはダンロップタイヤのサポートを受けて走っています。ここ数年の全日本スーパーバイクはダンロップ勢の圧倒的優位で、もちろん上位入賞もほとんど100%近くがダンロップユーザー。しかし、今年からJSBがメインカテゴリーになったのに合わせて、ブリヂストンタイヤのユーザーが増えてきたのです。このブリヂストン勢が、特に暑い路面温度のときの仕上がりがいいんです。

  もちろん、タイヤは全コンディションで全部強いわけではありませんから、特に50度近くの路面温度でブリヂストンが合っているというだけで、ダンロップがダメというわけではありません。それ以外の路面温度レンジでは、ダンロップの仕上がりが断然いいわけですからね。だから、ブリヂストン勢が強いことを予想しながら、高い路面温度にあったタイヤを選んで、それに合わせて車体のセットアップを詰めていく、という予選だったわけです。ブリヂストンユーザーは、辻村選手と伊藤選手のTSRに、山口選手と出口選手のカストロールホンダ。予選は、午前こそぼくがトップタイムだったものの、さらに気温が上がった午後は山口選手にトップを譲り、結局、予選2番手からのスタートとなりました。

  決勝日はもちろん晴れ。山の天気なので、午前のうちは涼しい風が吹いているのですが、お昼近くになるとグングン気温が上がってくる。今日も気温は30度を越え、レース直前には路面温度も50度を越えていました。でも、限られた時間内で、マシンのセットアップもできる限りやりました。あとは、上手くレースを組み立てて優勝を狙うのみ、です。

オートポリス 決勝レース

今年に入って極意を会得したスタートではちょとミスしたものの、1コーナーへは辻村選手に続いて2番手で進入。

  ぼくの後ろに山口選手、渡辺選手(ヨシムラスズキ)、 井筒選手(桜井ホンダ)がつけ、この5台でレースを引っ張る形になりました。理想の展開としては、スタートで飛び出て、タイヤのグリップが生きているうち (ほんの5~6ラップ!)に逃げて、2番手以降をブッちぎってしまうこと。そうすれば、後のライダー同士が2番手争いをしてくれているうちにさらに逃げられるので、展開として最高なんです。ちょうど、もてぎの独走のように、です。

  しかし、今回は辻村選手に詰まって、前に出られない。辻村選手をかわしたのは、3周目のメインストレートエンドでした。それから2番手以降を引き離そうとペースを上げたんですが、うまく2番手以降が離れてくれない。この周に井筒選手が転んで、ぼく-辻村選手-山口選手-渡辺選手と、4人によるトップグループになりました。

  まずは辻村選手を何とか引き離したかった序盤。一時は少し引き離せたのですが、ジリジリと差を詰められてしまう、苦しい展開でした。そして11周目、辻村選手にとうとう前に出られてしまいました。こっちはもうタイヤがズルズルなとき、しかし前に出た辻村選手を見ていると、キレイにグリップしたままコーナーを立ち上がっていきます。あとは、こちらがミスをしないように後でプレシャーをかけるように走るんですが、辻村選手もスキがない。

  結局、差は詰まったり広がったりを繰り返し、とうとう辻村選手をかわせないままチェッカー。暑いなか走ったことも、展開もふくめて、とにかくシンドいレースでした。8耐の1スティントも疲れますが、8耐は次の走行があるからホッとする暇もない。今回の疲れは、8耐なみ、いやそれ以上だったかもしれないですね。

  しかし優勝はできなかったとはいえ、こういうキビしい状況でも表彰台を外さず、2位入賞することができました。もう少し時間さえあったら、とは思いましたが、時間がないのはどのチームも同じ。悪いときに悪いなりにまとめてくれたスタッフに感謝ですね。

  これで5レース走って、優勝3回、2位2回。残りはあと2レースですから、今日の2位は選手権を考えるとかなり大きい。 次の菅生で、そして最終戦のTIと、2連勝できるようにがんばります!

 
これからも、北川圭一と、ケンツJトラスト&MOJO-WESTの活動に、ご理解、ご声援をお願いします!
 
RESULT
順位 ライダー マシン
優 勝
辻村 猛
ホンダCBR954RR
2位
北川 圭一
スズキGSX-R1000
3位
山口 辰也
ホンダCBR954RR
4位
出口 修
ホンダCBR954RR
5位
渡辺 篤
スズキGSX-R1000
6位
大崎 誠之
ヤマハYZF-R1
7位
徳留 和樹
ホンダCBR954RR
8位
民辻 啓
スズキGSX-R1000
9位
中富 伸一
ヤマハYZF-R
10位
畠山 泰昌
ヤマハTZF-R17(S-NK)
 
POINT-STANDENG(rd01~06)
順位 ライダー ポイント
1
北川 圭一(スズキ)
94P
2
渡辺 篤(スズキ)
72P
3
辻村 猛(ホンダ)
61P
4
山口 辰也(ホンダ)
56P
5
井筒 仁康(ホンダ)
51P
6
民辻 啓(スズキ)
45P

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