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そして、ここでもうひとつの大事件が起こってしまいました。僕とカツは、チェンジペダル操作が逆パターンで、僕がいわゆるレーサーパターンの1up5down、カツが市販車と同じ正チェンジの1down5up。この差を解消するために、チェンジペダルに切り替え用のレバーをつけて、ライダー交代のたびにロッドを上下させる機構をつけていたのですが、このレバーのつまみがポロッと取れてしまったんです。つまり、僕用のレーサーチェンジのまま固定されてしまって、カツは不慣れなレーサーチェンジで走らなければならない……。テスト中、一度も起こったことのないトラブルでした。
しかし、ここからカツが踏ん張ってくれて、ぐんぐん順位を上げ、30周目にはセブンスターホンダ、ヨシムラに続く3番手に浮上。カツも、タイムをバラつかせながら懸命に走ってくれて、いいポジションまで追い上げてくれました。
1回走行を終えて、体調は十分。走行を終わって、体じゅうの熱を取るのにプールに入って、それからライダールームで休憩をすると、次の準備まで正味30分ほどしか休めないんですが、体調は万全。これほど暑くなかったとはいえ、ル・マンで2時間連続走行をしたことを考えれば、体調はぜんぜん心配ありませんでした。
カツと交代して、2回目の走行。このあたりでレースはずいぶん落ち着いてきて、コース上は周回遅れだらけ。コースコンディションも、いたるところにオイル染みとか汚れ、ブラックマークがついていて、いつものつもりで走ると、足元をすくわれそうになることが多い時間帯。順位はセブンスターホンダ、ヨシムラに続く3番手をキープして、4番手の岡田さん/長純組の阪神タイガースホンダを引き離せていました。トップと同一周回はこの3台だけ。2番手ヨシムラまで50秒、そこからトップまでさらに1分の差はありますが、レースは最後まで何があるか分からない、と自分に言い聞かせて走り続けました。
カツにバトンを渡しても順位は3番手のまま。4位には浜口君/森脇君のウィダーホンダ学園が上がってきても、4番手までの差は十分。そして僕の3回目の走行では、コースコンディションの悪さに体が慣れて、路面温度も落ち着いてきたことから、僕のペースはまた上がりました。2回目の走行では13秒から15秒のバラツキが、12秒から13秒のペースでコンスタントに周回することができる。初回走行のときに1周だけ出した11秒台も出て、ペース、体力とも上々。とにかくヨシムラとホンダを追いかけるだけ、というレースを続けていました。
カツにバトンを渡して、いつものように休憩。まだあきらめない、まだ何があるか分からない、と気持ちは落ちていませんでした。マッサージを受けて、休憩して、栄養を取って――。さぁそろそろ最後の走行に向けて着替えるか、といったころ、ライダールームのモニターにカツの姿が映し出されました。
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